無線通信を行うには、設備だけでなく、それを操作する人にも免許が必要な場合があります。
この記事では、無線局免許状と無線従事者免許証の違いを、電波法をもとに簡潔に整理していきます。自動車で例えると無線局免許状が車検証、無線従事者免許証が車の免許証と説明する人も多いです。
無線局免許状
無線局免許状は、無線設備を開設するために必要な免許です。
対象は「無線局」であり、設備そのものに対して与えられます。
免許状には氏名又は(局の)名称、住所、目的などが記載され、原則5年ごとに更新が必要になります。
例えば、アマチュア無線局の免許状の場合は下記のような事が記載されています。

ただし、特定の条件を満たしている場合は免許は不要になります。(詳細は電波法第4条記載)
- 電波が著しく微弱な無線局
- 適合表示無線設備
- 他の無線局の運用を阻害するような混信、その他妨害を与えない運用ができるもの
無線従事者免許証
無線従事者免許証は、無線設備の操作や監督を行う人が持つ資格証明です。(電波法第40条)
無線局を運用するには、一定の資格を持った無線従事者が必要になる場合があります。
免許証は基本的に無期限で有効ですが、紛失や氏名変更時には再交付手続きが必要です。

詳細は下記のとおりです。
- 無線従事者(総合)
- 第一級総合無線通信士
- 第二級総合無線通信士
- 第三級総合無線通信士
- 無線従事者(海上)
- 第一級海上無線通信士
- 第二級海上無線通信士
- 第三級海上無線通信士
- 第四級海上無線通信士
- 政令で定める海上特殊無線技士
- 第一級海上特殊無線技士
- 第二級海上特殊無線技士
- 第三級海上特殊無線技士
- レーダー級海上特殊無線技士
- 無線従事者(航空)
- 航空無線通信士
- 政令で定める航空特殊無線技士
- 航空特殊無線技士
- 無線従事者(陸上)
- 第一級陸上無線技術士
- 第二級陸上無線技術士
- 政令で定める陸上特殊無線技士
- 第一級陸上特殊無線技士
- 第二級陸上特殊無線技士
- 第三級陸上特殊無線技士
- 国内電信級陸上特殊無線技士
- 無線従事者(アマチュア)
- 第一級アマチュア無線技士
- 第二級アマチュア無線技士
- 第三級アマチュア無線技士
- 第四級アマチュア無線技士
無線局免許状と無線従事者免許証の比較
比較項目 | 無線局免許状 | 無線従事者免許証 |
---|---|---|
対象 | 無線局(設備) | 操作・監督を行う人 |
有効期限 | 5年 (義務船舶局、義務航空機局は無期限) | 基本的に無期限 |
関連法令 | 電波法第4条 | 電波法第40条 |
取得方法 | 総務省(各総合通信局)申請 | 国家試験合格や講習修了など |
例えば、アマチュア無線を始める場合は、下記の手順が必要になります。
- 無線従事者免許(アマチュア無線技士)を取得
- 無線機を準備し、無線局免許状を申請
- 両方が揃って初めて合法的に運用可能
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